そして 君は 恋に落ちた。


「松田、お前も知りたいだろ?こいつの相手」


やーめーてー!!



「え? 瀬川先輩じゃないんですか?」


「は? 俺とハルヒ?」


「はい。春日先輩の家まで知ってるって…」


「ははっ 俺らはないない!

 確かにコイツの家で飲んだり泊まったりするけど――」

「瀬川君!」


―――誰かこのバカの口を塞いで!



「なんだよ」


「……それ以上口開くなら二度と口利かないから」


キッと睨むと、彼は「はいはい」と口にチャックのジェスチャーをした。

私はそれを確認しお茶をすする。



「ははっ 本当に仲良いですねぇ」


そう言って私の顔をのぞき込む松田君の口元は、上がっていた。



……悪魔だ。


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