そして 君は 恋に落ちた。


「そうそう、今ハルヒと呑んでたんだよ。………ははっ 誰にも言うなよ?」



―――その人が一番知られたくなかった人ですよ!



「あ、片付け終わったみたいだ。ちょっと待ってろ。

 なあ、松田から電話」


笑顔で携帯(私の!)差し出す彼をひと思いに刺してもいいかな?!きっと許されると思うんだけどっ!
私間違ってないよねぇ?!




怒りや憎しみ、恐怖に脱力感、全てが一気に押し寄せ携帯を取る手が震える。

そんな私に瀬川は(もう呼び捨てでいいと思う)笑顔を見せる。


―――殺意倍増。




「……もしもし」


躊躇しながらも電話を耳に当てる。


正直、逃げたいですっ!




『お疲れ様です。こんな時間にすみません』



電話越しの彼の声に、私は一気に緊張した。

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