そして 君は 恋に落ちた。
「ハルヒ!今日はもう上がりか?」
エレベーターを下りると営業から帰ってきた瀬川君がこちらに向かってきた。
私は小さく頷く。
「まだ18時だぞー!残業しろ、残業!」
「嫌です。じゃ、また明日――」
そう言って立ち去ろうとした私の腕を引き、彼は強引にエレベーターに私を乗せた。
「――ちょっと!私帰るんだけど」
「まぁまぁ、ちょっと付き合え」
「はぁ?」
暴れる私をよそにエレベーターは無情にもドアを閉め上がっていった。
「……放して」
「まぁ待てって」
「瀬川君、いくらなんでも――」
私の腕を掴みエレベーターの壁に押しつけたままの彼を睨みつけると、エレベーターは目的の階に着いたのかドアが開いた。が………
「…………春日…?」
いーやー!?
「悪い、小林。これ7階に行くから乗るの後にして」
そう言ってエレベーターのボタン“閉”を押す瀬川君。
処刑決定―――!
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