そして 君は 恋に落ちた。
はい?
「あの…」
「俺がいるから先に帰るとか、お前気分悪いんだよ」
「えっ
ちっ違うよ!ただ本当に疲れてて」
「うるせー。とにかく呑み行くぞ。
お前のその変身ぶりも話聞いてないし」
全く私の話に聞く耳持たない小林君は、胸ポケットから携帯を取り出すと誰かに電話し始めた。
「あ、瀬川?まだ終わんねーの?
……ああ、…………で?
ははっ じゃあとっとと降りて来いよ。春日とロビーで待ってるから」
―――本っ当に私の話全く聞いてないな。
エレベーターのドアを開けて待つ私に一言の礼もなく、スタスタ歩いて一階のロビーで瀬川君を待つ彼。
………もう、帰って良いですか…?
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