夢見る空
そうこうしているうちに、20階にある経理部のミーティングルームに着いた。
「さて…と。ここからどう探そうかな…」
ミーティングルームにたどり着いたが、その部屋だけでも数多く存在する。
私も一応、経理部だがミーティングルームなんてほとんど使わない。
一体どの部屋を使っているのか…
と、お偉い方と見える人達が続々と入って行く部屋があった。
しばらく眺めていたら、
「いた!」
後の方から部屋に入って行く佐野君の姿を見つけた。
「佐野君!」
「…美澄さん!?」
「あれ?あの子お前が…」
佐野君の隣にいた同僚が耳打ちした。
「ごめん、用ならこれが終わってからでいい?」
そう言いながら佐野君は近づいて来た。
「…すぐ終わる。」
「あ~…後5分で始まるんだけど…」
「私、何か選択肢を間違えた?」
「は?」
率直に聞いたのがいけなかったのか。
「だから、さっきどうして直ぐに振ったの?私はただ付き合うって正しい応えを…」
「ゲーム。」
「え?」
予想もしなかった応えで思わず聞き返した。
「“恋愛ゲーム”だよ。」
「ゲームがどうして関係…」
「つまり君の恋愛は所詮“ゲーム感覚”なんだよ。」
「それのどこが悪い訳?」
「僕の気持ちと君の気持ちの重さだよ。」
気持ちの重さ?
「じゃあそろそろ会議が始まるから行くよ。」
「…」
それだけ?