いつも危険信号たちの隣で?
「へへ、震えてやがる。人間にはありえないほど美人だし、こうゆうの見ているとマジ可愛いなぁ」
コーヒーみたいな色に日焼けして、明るい金髪の上に野球帽子を被っているヤンキーAさん、勘違いするな、震えてないし。
そもそもお前ら、女独りを三人でナンパするとか頭イカレてんの? 。
「なんかフランス人形と日本人形を
混ぜてみたいだな、これぞ美少女って感じ! 。案外スタイル良くね、胸もデケェし」
金髪に黒のメッシュいれているヤンキー、よく見ると顔が整っているいわゆるイケメンなBさん。
変な褒めかたはやめてください。
あとどこ見てやがる。
「むっ、すらりとしていていながらこれはCカップだ、間違い無い。胴体は小さいし、足は長い。漆黒に藍色がかかった髪も腰まで長いし、髪は重くないのかね? 」
一人だけ制服を着崩さないで、黒髪で真面目そうに眼鏡をかけているヤンキーの仲間Cさん。
どうして私の容姿をいちいち口に出すのかしら? 。
「Cカップデカ! やべえな」
「俺は貧乳が好みだがな! 」
「まったく、枯雨君《こさめ》はロリコンにはかないませんね」
「え? 枯雨ってロリコンなの? 。引くわー」
「違う! 断じて違う! 。白菊《しらぎく》嘘つくなっ」
「ああ、すいません。シスコンでしたね」
「え? まさか白玉ちゃんのほう? 。枯雨、やべえー」
「白菊は黙れ! 、鱗木《りんもく》はすぐ信じるなよ! 」
「そうですね、黙るならジュースを奢ってくれたらいいですよ」
「あっ、俺も俺も! 」
「嫌だ! 」
「ケチですね」
「ケチ」
「うるせぇ! 」
ぎゃーぎゃー騒ぎまくっている、内容は意味が分からないことだらけ。
昔の私なら分かったかもしれないけど__。
そろそろ学校に向かわないとやばいな。
「離せ」
「あっ? 」
枯雨と呼ばれていたAさんは私の存在を忘れていたらしく、一瞬びくとした顔になる。
(ナンパしながら私のことを忘れているなんてね、笑えるわ)
私は無理矢理離し、早歩きで逃げる。
「おい待て! 」
Aさんが肩に手を一瞬だけ触れた、その瞬間、Aさんは飛んだ。
三十メートルほど。