いつも危険信号たちの隣で?
「おい、大丈夫か?」
気がそれたが心配しているらしい、彼は私を助けにきたらしいし、遅刻ギリギリだが礼儀として感謝ぐらいはしておこう。
「大丈夫です、助けてくださりありがとうございます」
「いや、大したことことはねぇんだけどよ。......って怪我してんじゃねーか! 」
「え? ......あ」
腕に小さな切り傷がある、気がつかなかった。
いつ出来たんだろう? 。
すると狼は頭を下げた。
え? 。
「すまん! もしかしたら俺がつけたかもしれねぇ。オメぇーの学校はどこだ? 、送ってやる」
驚いた。
この狼にも礼儀というものがあるんだな、しかし結構だ。
「大丈夫ですよ、お気遣いありがとうございます」
一礼して、歩き出すと腕を掴まれる。
何なんだ。
もう遅刻ギリギリの時間なのに、こいつらは私に遅刻させたいのか。
「馬鹿! 無理すんじゃーねよ!! 。辛いなら辛いって言えよ!、痛いなら痛いって言えよ! 。俺はお前の__ああ、もう!」
「きゃっ」
身体が宙に浮き、首とひざに腕を回される。
「しっかりと掴まれよ!」
景色が残像に見え、鋭い目を放つ狼の顔が近い。
現状は理解ができた、一秒でお姫様抱っこされ、狼は駆け出した。