林檎好きな彼 [短]
「南摘!」
ミヨちゃんが呼んだ。
俺は 手の震えが止まらなかった。
「ひ…聖君!」
石川は俺の姿を見て、驚きを隠せないようだった。
『…寺山先…輩?』
南摘ちゃんは、顔に殴られた傷があった。
俺は 怒りが沈まず、
石川を睨んでいた。
「ひ…じり君、私…野々宮南摘とあなたの関係が知りたくて…」
「は? 別にお前に関係なくね?大体お前、俺の何?」
「…私はただ、聖君に纏わりついてる邪魔な子を排除したいだけなの!」
「ウザイ。俺の彼女でも無いくせに、偉そうに後輩苛めてんじゃねぇよ!」
「…ご、ごめんなさい。」
石川は 一言そう言うと、
走って行ってしまった。