あさきゆめみし

第一話





火が 焼ける匂いがする




震える体の中、両手で握られた拳銃が、カタカタと小さな音を立てた。


「なっ…んで…、
なにをやってるのよイオ!」


薄暗い部屋には私と、対峙して立っている人物しかいない。

周りからは物が燃えていく臭いと、この異変に気付いた人々の騒ぐ声が聞こえてきた。


「ねぇ、イオ! 答えてよ!」


体の震えは止まらず、情けないことに手の中にある銃器も震えが止まることをしない。


その震えを隠すように、私は銃を握り直す。
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