トリガーポイント
そんな風に大和くんに怒られたのは、生まれて初めてだった。

いつも、優しく笑った大和くんしか私は見たことがなかった。

だから怖かったのも、もちろんだったけど、
それ以上に、すごくびっくりしてしまった。

…。

すぐに帰ると思いきや、
気まずい雰囲気の中カウンターで、まだ私たちは飲んでいた…。


私は、大和くんに怒られて、しゅんとしていたが、
そんな私を見て、
えりりんと泰治さんはニコニコしてた。
いや、ニヤニヤしてたと言った方が正しいかな。

いやな姉弟だ…。

「ふふっ。
大和ってば、本っ当にわっかりやすいわね~。」

「んだな。
なんか、姉ちゃんの話どぉりの人だな…。」

「でしょ~?
大和って昔から、単純でまっすぐなのよね~。
だっからいつも女に騙されちゃうの。」

えりりんが、からからと笑う。

「えりっ!」


大和くんは、えりりんを睨み付け、ハイペースでをスコッチを煽った。

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