私が死んだら、1つの命が助かった。
「……、は…」
「臓器提供意思表示カード、って知ってるかな……
事故とかで植物状態になった時、自分の臓器をあげます、っていう意思表示のカード。
それを、ヒヨリさんは持っていた」
「何で………」
「……」
「他人は臓器なんて提供しあえねぇだろ?!」
「………君たちは他人じゃなかった」
……この人、さっきから何言ってんだよ?
「ヒヨリさんと慶一くん、君たちは姉弟だった。」
ドクン、ドクン、ドクン
心臓はせわしなく動き続ける。
そのせいで冷や汗が体に纏わりつく。
「………だから、提供を早急に行った…」
………は、は…
「俺が、殺したのか?」
「、それは違う………‼」
「ちがわねぇだろ………‼」
隣の机にあった花瓶を壁に向かって叩きつける。
「、慶一…‼」
「は、ははは…」
ヒヨリ。
ごめん、ごめん………