私が死んだら、1つの命が助かった。
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「じゃぁ、明日な~」
「またね」
「おう」
放課後は、慶一と帰ることになった。
「何か、いっつも慶一と一緒の気がする」
「………気のせいじゃね?」
わざとらしくそっぽを向く慶一を訝しげに見てから欠伸をした。
「………おかしいな」
「何が」
慶一がそう呟いたのに反応して欠伸混じりに聞き返すと、慶一は前の方向を指差した。
「車………?」
「ここ、大型車両侵入禁止だろ」
「そうだっけ?」
「いっつも通ってないだろ」
さぁ?と返事すると呆れた様に溜め息を吐かれた。
「あぶねぇし、他の道行くか」
確かに、その道はぎゅうぎゅうにトラックが占領していて、人1人も通れない状態だ。
「………しょうがないね」
肩を竦めながら来た道を少し戻って右に曲がる。
これが、いけなかったのだろうか?