私が死んだら、1つの命が助かった。





ーーーーー



薄く目を開けると、涙でぐちゃぐちゃな顔をした母さんが居た。




「慶一………っ‼」




母さんは泣きながら俺のベッドにしがみついて泣いた。



………あぁ、俺…事故ったんだっけ。



「ヒヨリは?」



俺も助かってるしどうせ………





母さんが口を開きかけた時、医者がタイミング良く入って来た。



「検査をするので」



そう言って、俺を車椅子に移して病室を出た。












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