潔癖症の彼は、キスができるのですか?



「お似合いじゃん。付き合えば?」

「え?」


親友の乱ちゃんに相談すると、返ってきた言葉は意外なものだった。


「なんで? 私と大窪くんだよ? どこがお似合いなの!?」


乱ちゃんは、はぁーと大きなため息をつく。そして呆れ顔で、口を開く。


「自分で気づいてないの? 琴音も潔癖じゃん」

「…………」

「…………」

「え?」


け、潔癖? 私が?


「大窪くんほどひどくないけど、休み時間にお菓子食べたら、すぐ歯磨きするでしょ」

「それは、お母さんが歯科医師だから。食べたらすぐ磨くっていう、習慣がついているだけで」

「動物は触れる? かわいい子猫とか、小型犬」

「キライじゃないけど、毛がつくと、コロコロしなきゃいけないからやだ」

「メロン味のかき氷食べられる?」

「着色料が、がっつりついてるものは、無理。気持ち悪い」

「総合的にみて、やっぱり潔癖症の部類に入るんじゃない?」



オー! マイ、ゴッド!!



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