潔癖症の彼は、キスができるのですか?
もう一度キスしていい?
「大窪くんの家、私と正反対だよね? 校門まで一緒に帰ろうか」
「それ、一緒に帰ってることにならないから。そんな距離じゃ、話もできないよ」
そ、そうだけど。
「家まで送るよ」
本当に付き合ってるみたい。いいのかな。私の家に行ってから自分の家に帰るなんて、かなりめんどくさいと思うけどな。
「何から話そうかな。出会いは俺らが小学二年の頃」
「え!? そんな小さな時から私たち会ってるの?」
「やっぱり覚えてないよね。山口歯科クリニック。山口さんのお母さんがやってる歯医者さんの待合室で、初めて会ったんだよ」
歯医者で……。確かに小学低学年の頃は、学校が終わったら、たまにお母さんのクリニックに遊びに行ってた。