潔癖症の彼は、キスができるのですか?
大窪くんの横顔を見上げて、また胸が疼いた。
「小学二年から……ずっと?」
「そうだよ」
信じられない。こんなに一途な男の子って、今どきいるんだ。いや、大窪くんだから、思い続けてくれたんだ。
「ありがとう。嬉しい。でも、覚えてなくてごめんね」
「全然。再会できただけで、嬉しいから」
なんだか胸がくすぐったい。恋愛経験ゼロの私が、男の子とこんな会話をするなんて、不思議。
「定期検診、今でもうちのクリニックに来てるの?」
「うん。俺、山口さんのお母さんとは仲良しだよ」
「え!! じゃ、私たちのこと知ってるの!?」
「言ってないよ。俺と山口さんが同じクラスだってことも知らないから」
よ、よかった。親に恋沙汰を知られてたら、めちゃくちゃ恥ずかしいもん。