潔癖症の彼は、キスができるのですか?
今日は昼休みに本を返しに行こう。
私はひとりで、図書室に向かっていると、3人組の女の子たちに声をかけられた。
「ちょっと、話あるんだけどいい?」
ギャル風で怖い。しかも顔が笑ってない。
「……急いでるから」
「すぐすむから!」
いやいや。これ、おバカな私でも分かるよ。呼び出しってやつでしょ?
本ばかり読んでるけど、漫画やケータイ小説も読んでるんだから。この後の展開は手にとるように分かる。
案の定、人気のない体育館裏に連れてこられた。
違うクラスの子たちだけど、たまにうちの教室にいるのを見る。きっと、この子たちは……。
「大窪くんとよく一緒にいるけど、付き合ってんの?」
大窪くんのことが好きなんだ。一部の女子からドン引きされているって言ってたけど、逆だよ。
好かれすぎて、近づけない。憧れの眼差しで見られていることに大窪くんは気づいていない。それくらい、大窪くんはモテていた。