潔癖症の彼は、キスができるのですか?



先に手を出されなきゃ、正当防衛にはならないんだっけ?


どうしよう。


そんなことを考えていると、ひとりの女の子がいきなり私の胸を押してきて、私は地面に尻餅をついた。


あ、先に手を出された。ここからは正当防衛成立。


私は両手に砂を掴んで、3人におもいっきり砂を投げつけてやった。


「きゃあ! いってー!!」

「くそ! 待てよ!」


待つもんか! 砂で目をやられている間に私は立ち上がって、必死で走った。


そりゃもう、死に物狂いで。だけど。


「陸上部なめんなよ!」


マジで!?


ギャル風なのに、スポーツマンだったの? 私はあっさり掴まって、正座をさせられて頭から砂をかけられまくった。


泣くもんか。この子たちの顔は、覚えた。絶対いつか仕返ししてやる!


「あーこんなんじゃ、気がおさまらねー。トイレの水でもかけて終わりにする?」

「え?」


それはよく漫画とかで見る、いじめだけど、実際に本当にやる人なんていないと思っていた。


だって、あまりにもやりすぎでしょ。


「大窪くんに、二度と近づけないように汚くしなきゃね」


それが、この子たちの狙い……。



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