潔癖症の彼は、キスができるのですか?
汚いのに。一番、触れたくないものに。今、大窪くんに触れさせてしまっている。だから、おもいっきり抵抗した。
「やだ! 離して!」
「山口さん」
「汚いから! 私、バイ菌だらけだから!」
「汚くない! 好きな子なら、俺は平気だって言ったじゃん!」
「うっ……」
どんなに砂や水をかけられても、泣かなかったのに。大窪くんの一言で、簡単に涙腺は崩壊。ポロポロと溢れでる涙を止めることができなかった。
その間も、大窪くんは私の濡れた体を強く抱き締めて離さなかった。
「……私、保健室からタオル借りてる来る。大窪くん、琴音のこと、よろしくね」
「うん」
乱ちゃんは、女子トイレから走って立ち去った。