潔癖症の彼は、キスができるのですか?
1階まで降りてきたところで、後ろを振り返るけど誰もいない。
「……追いかけてきてくれるわけないか」
期待している私はバカだ。息を整えてから、保健室に向かった。
だって、告白した以上、大窪くんの顔なんて見れない。教室に帰ったところで、気まずいだけだ。
だから今日は保健室に逃げよう。3人からあんなことされた後だもん。
仮病だってばれないでしょ。
保健室をノックしてから、ガラガラと扉を開ける。
「失礼します」
「どうぞー」
俯きながら、保健室に足を踏み入れる。顔をあげると、そこには……。
「お、大窪くん……!!」
な、何故!?
何故、大窪くんがいるの!?
額を先生に氷嚢で冷やされていて、大窪くんはバツが悪そうな顔をする。私は、この状況が把握できなくて、開いた口が塞がらなかった。