潔癖症の彼は、キスができるのですか?



「……さっきはごめん。思いがけないこと言われたから、すぐに反応できなかった」


思いがけないことって、私が好きだって言ったこと?


「わ、忘れてください……」

「なんで?」


次の瞬間、布団を掴んでいた手に、温かな大きな手が添えられた。

思わず、ビクッと震える私。掌から、ドキドキが伝わっちゃうよ。



「責任とるよ。ケガさせたことも。これから先のこともすべて。だから、俺と付き合ってください」





……二度目の告白は。


お互いケガをして、私はジャージ姿で布団に入っていて顔も見えない状態。憧れていたシチュエーションと全く違う。

違うけど、ドキドキは変わらない。



ただ、手と手が繋がっている。


私はギュッとその手を掴み返す。長い沈黙の後、大窪くんが口を開いた。


「……どこにですか、なんて言わないでよ」

「い、言わないよ!」


今度こそ。

きちんと、かわいく言えるかな?



私の気持ち。


私は片手をついて、ベッドからゆっくり起き上がった。


< 43 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop