潔癖症の彼は、キスができるのですか?
「……さっきはごめん。思いがけないこと言われたから、すぐに反応できなかった」
思いがけないことって、私が好きだって言ったこと?
「わ、忘れてください……」
「なんで?」
次の瞬間、布団を掴んでいた手に、温かな大きな手が添えられた。
思わず、ビクッと震える私。掌から、ドキドキが伝わっちゃうよ。
「責任とるよ。ケガさせたことも。これから先のこともすべて。だから、俺と付き合ってください」
……二度目の告白は。
お互いケガをして、私はジャージ姿で布団に入っていて顔も見えない状態。憧れていたシチュエーションと全く違う。
違うけど、ドキドキは変わらない。
ただ、手と手が繋がっている。
私はギュッとその手を掴み返す。長い沈黙の後、大窪くんが口を開いた。
「……どこにですか、なんて言わないでよ」
「い、言わないよ!」
今度こそ。
きちんと、かわいく言えるかな?
私の気持ち。
私は片手をついて、ベッドからゆっくり起き上がった。