潔癖症の彼は、キスができるのですか?
付き合ってください
ファーストキスを奪われた後の、思いがけない告白。
私はさらにパニック。
「はっ」
「は?」
「あははっ」
もう笑うしかない。笑いながら、後退りして猛ダッシュ。
私は大窪くんから逃げた。そして、明日どんな仮病を使って学校を休もうか必死で考えた。
だって、好きって何? 挨拶程度で、ろくに話したことないのに……。好きだなんて信じられない。
しかも付き合ってもいないのに、キスするなんて……。
「かるっ! めっちゃかるっ!」
失望した。大窪くんはそんなチャラい男の子じゃないと思っていたのに……。
“試していい?”
なんなの。あんなのダメに決まってるじゃない。なんで、私、あの時、抵抗できなかったの……? 二度もっ! 二度もキスされて全く動けないなんてっ!!
どんくさい。トロい。おっとりした自分の性格を恨んだ。