潔癖症の彼は、キスができるのですか?
俯いて、小さな声で呟いた。羞恥心なんか捨てちゃいたいけど、やっぱり恥ずかしくて顔が熱くなる。そんな私を夏樹は、楽しそうな表情で見てくる。
「だろうね。何も知らない純粋無垢な女の子って感じだし。だけど、見た目で騙されないように、念のため、確認はしておかなきゃね~」
「確認って……?」
「俺、極上のSなの」
…………は?
「最近は軽い女の子とばかりヤッてるからマンネリ気味でさ~。琴音ちゃんが苦痛な表情で泣き叫ぶ顔を想像しただけで、ゾクゾクするんだよね~」
「ゾクゾクしてるのは、こっちのほうなんですけど」
「そういう強気な発言もいいよね。調教しがいがあるよ」
……ちょ、ちょっと待って。なんか、話がどんどんそれていってない?
「あの、私が未経験だって教えたんだから、約束守ってくれるんだよね?」
「約束?」
「写真を消す約束だよ!」
夏樹は私の言葉を聞いてポカンとした顔になる。そして、次の瞬間、ゲラゲラと笑いだす。
「そんな約束した覚えはないよ。本題はここから。琴音ちゃんとエッチさせてくれたら、写真はキレイに消してあげる」
は?
「処女でよかったね。違ったらこんな話にはのらないよ。初めては彼氏がよかった? でも、今回のキス写真が彼氏の目にふれて、別れたら意味ないもんね~。大丈夫。彼氏と初めてヤる時は、痛いフリすればばれないから~」