潔癖症の彼は、キスができるのですか?
「自分のクラス帰れよ」
「大窪く……」
「この間の警告、聞こえてなかった?」
あわわ……。この展開はヤバい。さすがに大窪くんが女の子に手をあげるとは思わないけど、私のせいでクラスのみんなに誤解されちゃうようなことになったらやだ。ケバマツゲは、グッと唇を噛みしめて、顔をあげた。
「大窪くん! 好きです!!」
ケバマツゲが大窪くんに告白したああ!!
「キライです」
そして、秒殺でフラれたああ!!
玉砕覚悟で思いを告げただろうケバマツゲは、意外にも笑顔だった。
「ふん。もうこんなちんちくりんとは関わらないよ。大窪くんってセンス悪い。幻滅!」
言いたいことだけ言って、ケバマツゲは教室から出ていった。クラスのみんなは呆然。私も口をポカンと開けて動けなかった。