私達の思い出
第2話
新学期が始まって1週間がたった。朝早く教室に来て、私は自分の席である事で悩んでいた。

『…』

机の上に置いてある、進路の紙。私は未だに、提出せずにいる。

ガラッ

『っ!?』

「…千尋?」

『孝汰…』

教室が急に開いて、ビックリしてドアを見る。そこには孝汰が立っていた。

「珍しいじゃん、千尋が早く来るなんて」

『うん…』

孝汰って、こんな早い時間から来るんだ…そう思いながら、私は孝汰の顔を見つめる。

「それ、進路の紙?」

席に着きながら、孝汰は言った。

『うん、そう。…孝汰はどうするの?進路』

「…俺は…一応進学」

『じゃあ、島を出るんだ』

「まぁ…そう言うとこ」

光も、孝汰も、夕夏ちゃんも…島からいなくなるのか…

私は、どうすればいいんだろう。ここに残るか、島を出るのか…

「お前は?」

『え?』

「進路、どうすんの?」

『私は…』

私の将来の夢…そもそも、夢って何?島でのんびり生きてきて、幸せに暮らしてて…

私は、どうすればー…

「今日中だろ?その紙」

『…うん』

「そっか」

そう言って、孝汰はまた机に突っ伏した。
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