私達の思い出
第1話
『いってきまーす!!』

私、宮間千尋。今日から高校3年生。私が住んでいる場所は、自然が沢山ある島。山があって海があって…

私は、この島が大好きだ。私が通う学校は全校生徒が15人と、かなり少ない。私達高校生組はたったの5人。

「千尋、おはよう!!」

『光!!おはよう♪』

こいつは矢島光(やじまひかる)。私の幼馴染み。笑うと口から少し見える八重歯が特徴。

「千尋は進学すんの?」

『ん〜…分かんない。まだ決めてないもん。光は?』

「俺は医大に行く。親父の診療所、受け継ぎたいからさ」

『そっか』

光の家は、島唯一の診療所。この診療所がなくなると本州までフェリーに乗って行かなきゃならないから、必然的にそうなるのかもしれない。

しばらく2人で並んで歩く。左に見える海が、キラキラ輝いていた。

『やっぱ、海好きだなぁ…』

「俺も(笑)海見るとさ、嫌な事忘れるよな」

光の言葉に私も頷く。

キーンコーンカーンコーン…

「やっべぇ!!走るぞ!!」

『えっ!?ちょ、待ってよ!!』

学校からチャイムの音が聞こえて、私達は急いで走る。私達が通う学校は山の頂上にあって、急な坂を登らなければならない。
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