ライオンさんのペット
はっきり言って経済に興味はなかった。

ただここで律子と待ち合わせをしていた時、何気なくここにあった雑誌の表紙を眺めていて、たまたま、本当にたまたま名前を覚えていただけだった。


一番上に、一際大きく記された名前…



『高獅路和雅』



私を救ってくれた人と同じ名前…



中を捲って彼の記事が載ったページを開く。

そこには記事と一緒に、あの人の写真が載っていた。



「やっぱり…」



高獅路グループ御曹司にして、シルバーコーポレーション社長、高獅路和雅。

ーーーその実力は底知れず、今や創設した会社も飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている。

日本の企業で1、2を争うと言われる高獅路グループも、彼が後を継げば追随を許さない程の企業になるだろう。

そして彼もまた、これからの日本を背負って立つ貴重な人材になるに違いない。

若き獅子の猛攻は続く。最後はそう締めくくられていた。



「はあ~凄い人に助けられたな~」




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