ライオンさんのペット
お兄ちゃんとの約束
家を飛び出して直ぐに息が切れたが、歩くことは止めなかった。


あの家に今はいたくない…



どう歩いたかは覚えていない。
ただ、遠くへ、遠くへと、少しでも離れたくて足を動かした。




疲れた…




日が傾きかけた頃、住宅街の中にある公園に差し掛かった。


道路に挟まれた、それほど大きくはないが、ブランコや滑り台、鉄棒に砂場があって、木々に囲まれた綺麗な公園。


今が何時なのかは分からないが、子供達が帰る時間は過ぎているのだろう。

公園に人の姿はなかった。



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