ライオンさんのペット
「あの時も…」



あまり思い出したくはない、遠い昔のこと。
その記憶の断片が、頭の片隅を過る。



あの時は一緒に待っていてくれる人がいたっけ…

もう、顔も思い出せないけど…

優しい人だったな。






「すみません、柴田瑠唯さん、ですよね?」






若い男性の声に顔を上げれば、サングラスを掛けた黒いスーツ姿の男の人が立っていた。

その人の後ろにも同じ格好をした男の人が二人。



嫌な感じがした。



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