ライオンさんのペット
少なくとも、高獅路邸で働く人達ではないと思った。

高獅路邸で働く人達全員の顔を覚えているわけじゃない。

けれど、私の顔は知っているはずだもの。

何より、フルネームで訪ねたりはしない。


「ち、違います。」


私はベンチから足早に離れた。


けれど、直ぐに腕を捕まれ、逃げられなくなってしまう。



助けを呼ばなくちゃ!



大声を上げようと口を開きかければ、空かさず口を塞がれた。


イヤ!放して!



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