ライオンさんのペット
解放され力が抜けた私の体は、支える物もなく地面へと崩れ落ちた。

そして反射的についた両腕で上体を起こしているのがやっとの状態で、その場から動けなくなってしまった。



「瑠唯!大丈夫か!?」

両肩を掴まれ顔を上げると、目の前には和雅さんの心配げな焦りをはらんだ顔があった。

コクりと頷けば、安堵の深い溜め息と共に強く抱き締められる。

私を包み込む和雅さんの腕は、顔を歪める程の強さで、それでも今はそれが余計安心出来て、有り難かった。

もう大丈夫なのだと、この人の温もりが教えてくれるから…

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