ライオンさんのペット
「しょうがない、お前にも分かるように説明してやる。」




えっ!?今の言葉口に出してなかったよね!?




口に出していないことは確実なのに、まるで私の心の声が聞こえてしまったみたいでドキドキしてしまう。




そして高獅路さんは渋々といった感じで話し出した。




「今回、負債を肩代わりするのにあたってお前の両親に“いくつか”の条件を出した。

まずは、柴田社長には今夏俺の会社が立ち上げるインテリア事業の最高責任者に就いてもらい、柴田副社長にはその部署のデザイナーに就いてもらう。

二人の仕事のノウハウはその業界では最高ランク。貴重な人材が確保出来る。

そして、柴田インテリアのブランド名は大きな戦力になるからな。二人がこの事業に携わったと広まれば、3億6千万くらい直ぐに取り戻せる。」




そんなにうちの両親って凄かったんだ…




「だが、事業が動き出すのは夏になってから。
それに利益が出るのはもっと先の話しだ。

そのために会社と自宅の土地の権利を譲り受け、一部の差し迫った負債の返済にあてた。
だから早急に更地にしたわけだ。

そして二人には、事業の拠点となるイタリアに飛んでもらった。
新規事業の前準備に遅れが出ていて直ぐにでも二人の力が必要だったからな。」


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