ライオンさんのペット
頭はまだ混乱していたけど、大体のことは理解出来た。
というより、この事実を受け止めるために邪魔な疑問や不平不満、戸惑いや自分の非力さへの嘆き、今にも叫びだしたい感情といったあらゆるもの全てを脇に置いて無理やり飲み込んだ。




「ここまでは分かりました。ですが、なんで私が貴方のペットになる必要があるんですか?」




「それは俺の気まぐれだ。」




はい!?

そんなんでペットになってたまるもんですか!!と言おうとしたが…





「まぁ、ここまでの話を理解しているならもう分かっているだろう?」




「………?」




「俺はお前とお前の両親の恩人なわけだ。
お前達親子が路頭に迷わずにすんだのは誰のおかげだ?」




「!?、それは…」




「だが俺も鬼じゃない。
お前が恩知らずな人間で、ここまで聞いてそれでもなおペットにはならないと言ったとしても、負債の肩代わりを止めるつもりはないが…
どうする?」




この男!!
どうするもこうするもないじゃない!!






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