ライオンさんのペット
「無理をして食べなくてもいいぞ。多かったら残せ。」




な、何で分かったの…




「い、いえ…残すなんてこと出来ません…」





和雅さんから、どうして?という視線が返ってくる。





私は持っていたフォークとナイフを置き、自ずと俯いて膝にかけていたナプキンをギュッと握りしめた。





「和雅さんに助けて頂いてなかったら…
もしも、路頭に迷っていたら…
食事さえありつけなかったかもしれません。
だから、残しちゃったら“もしも”の私に怒られちゃうと思うんです。」




と、正直に言ってから凄く後悔した。
"もしも"の私とか…凄く子供っぽい発言だよね…
両親とか律子達に言うならまだしも、こんな大人の男の人に対して言うんじゃなかった。




「なんて……ハハハッ…」って笑って見たけど、絶対誤魔化せてないよ//////






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