ライオンさんのペット
「…………俺はそれ程怖い主人か?」



「はい。確実に、可愛がり過ぎて逆に嫌われるパターンのやつです。」



「そうか…
どうしたら良いものか…」




顎に手をあて暫し考えを巡らすが…
これといって"良識的な"方法が思いつかないでいると今日何度目かの深い溜め息が降ってきた。




「和雅様は急ぎ過ぎなのです。
"もう"瑠唯様は手の内にあるのですからじっくりお二人の間を詰めてゆけば良いのではないですか?」



「じっくりか…
時間は2年しかないんだぞ…」



そう、2年しかない…
これ程待ったのに、たった2年。




「2年 "も" です。

それに予定が早くなっただけでなく、瑠唯様のご両親にも干渉されずにお二人で暮らせるのですから長い時間かと思います。

それでももし、2年で懐かないのであれば、懐くまで、もしくは永遠に手もとに置いておく方法をお取りになれば良いだけの話です。」




「藍沢…時にお前は怖いことを言うな。」




「貴方にだけは言われたくないですよ‼どの口が言いますか!?どの口が!?
そんな無駄口叩いてる暇があるなら仕事して下さい!せめてこの仕事を終わらせて下されば帰っても良いですから!」



そう言って藍沢はデスクに先程から持っていた書類の山をドンと落とした。




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