ライオンさんのペット
むしろ、和雅さんはそうすべきだった。



メイドさんはメイドさんで大変だと思う。
それでも、もしやらせてもらえるなら時間は掛かると思うけど、いずれきっと立派なメイドさんになって役に立ってみせる!


でも…ペットはいくら頑張っても、時間が経っても、役に立つ自信がない…



和雅さんは役に立つとか立たないとか、私に求めてないのかもしれないけど、そっちの方が利用価値がある気がする。



気まぐれとはいえ、何で私だったんだろ。









「申し訳ありません。こんなつまらない話をお聞かせしてしまいまして。」




少しの間だったが、下げた視線をつまらないからと勘違いされたらしい。




「いえ、つまらない話だなんて。聞かせて下さってありがとうございます。私も…」




同じような境遇なのでと言おうとしたところで、テーブルに置いておいた携帯が震えだした。



サブディスプレイに見知った名前が表示されている。



「すみません、出ても良いですか?」



「勿論でございます。私は失礼致します。」




小春さんが一礼してドアの方へ向かうのと同時に通話ボタンを押した。






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