ライオンさんのペット
「もしもし?」



「気になって、あと一日待てなかったわ。」



開口一番口にした言葉は、律子にしては珍しく不機嫌な口調だった。



「何かあったでしょ?」



律子、何で知ってるの!?



「昨日の帰り変だったし、いつもなら後で連絡くれるのに私にも新にも音沙汰なし。
私達にも言えないようなこと?」



最後の言葉には、何があったか言ってもらえない悲しみよりも、私を心底心配してくれている気遣いが感じ取れた。

そんな律子の優しさに目に涙が滲む。




「無理に話してくれなくても良いけど、瑠唯、大丈夫なの?」



余計な心配をかけたくなくて、明日のクラス決め試験が終わってから、両親の事や和雅さんの事を話すつもりでいたんだけど…

余計に心配をかけてしまったらしい。




「律子ごめんね。二人にはちゃんと話すつもりだったんだけど…」





< 92 / 132 >

この作品をシェア

pagetop