【BL】神は誰も救わない
「ねぇ、まだ一緒にやりたいことがあるんだ。まだ………まだ死を受け入れるなんて早いよ。」
「早くはない。遅かったぐらいさ。私も君とずっと生きていたいと願ってしまった。」
「じゃあ!」
詰め寄った僕に、彼は寂しげに笑った。
そしてゆっくりと首を横に振る。
「どんなに願っても私が君と同じ時間だけ生きることは出来ない。分かるだろう?」
「……分かってる。分かってるけど」
分かりたくない。
「今ここで受け入れないと別れが辛すぎる。」
そう呟いた言葉は僕へのモノだったのか、あるいは…。
「自分で言うのもなんだけどね、俺はそう悪くない人生だったと思ってる。」
「……………」
「短い人生で君という特別な存在を見つけた。すごい確率だと思わないか?」
そう問いかけてくる彼が大好きで、大好きで。
僕の瞳からは雫がこぼれた。
「ずるい……っ………ずるいよ。こんなにもアナタが好きなのに………アナタは僕を一人残して消えてしまう。」
一度流してしまった涙は止まらない。