真面目くんがネクタイを緩めるとき


「うっさい!バカ!」

私は梶の言葉を遮った。

作戦作戦って!
私がいつあんたの前でそんな作戦使ったのよ!

あんたの前じゃロクに話せないっていうのに

恥ずかしくなって、

自分の顔色すらコントロール出来てないのに

心臓だって、今もドキドキとチクチクが同時に起こって

どうすれば直るのかだって

分からないのに。

作戦なんてする、そんな余裕なんてないのに……。


私は思っている事を全部抑えて梶を見る。

< 127 / 343 >

この作品をシェア

pagetop