真面目くんがネクタイを緩めるとき
「うっさい!バカ!」
私は梶の言葉を遮った。
作戦作戦って!
私がいつあんたの前でそんな作戦使ったのよ!
あんたの前じゃロクに話せないっていうのに
恥ずかしくなって、
自分の顔色すらコントロール出来てないのに
心臓だって、今もドキドキとチクチクが同時に起こって
どうすれば直るのかだって
分からないのに。
作戦なんてする、そんな余裕なんてないのに……。
私は思っている事を全部抑えて梶を見る。