真面目くんがネクタイを緩めるとき
「いやん、胡桃が素直」
なんてわけの分からない事を言ってから
「聞かない方が良かったって思う話かもしれないよ?」
真剣な表情でそう言った。
もう今更だよ。
聞きたくないことなんかない。
梶のこと、知れるならば出来るだけ知りたいの。
私はこくりと頷いた。
「実はねー
友達の彼氏のそのまた友達に聞いた話しなんだけど」
遠っ!すごい情報網。
「聞き出すのめっちゃ大変だったんだから!」
うんうん。
私は頷いて美影の言葉を待った。
「梶鳴海の驚きの過去」
ごくり。
こんなに次の言葉を聞くのにドキドキしたのは初めてだった。