真面目くんがネクタイを緩めるとき
「だから……」
私の決意を言葉にしようとしたのにそれは遮られた。
「そうですか。
じゃあもういいです
胡桃さんは必要無いですね。
だから、今後は僕には近づかないで下さいね」
梶はそう言って図書室を出ていった。
どうして?
なんで必要無いなんて言うの?
誰もいなくなった教室で一人涙を流す。
「ただ……好きなだけなのにっ、
伝えたかっただけなのに……」
全然うまくいかない。
何でもない人を堕とす事は簡単なのに
好きな人になると、全然うまくいかない。
「もう、嫌だ……」