真面目くんがネクタイを緩めるとき


いつものように図書室のドアをあけて

来てほしい。

そう思っていても梶は一向に来なかった。

ふと、

自分の鞄の中にしまってあった

ノートが目に入る。

【梶鳴海ノート】


それは空欄ばっかりで


「私……、梶の事全然知らないんだな」


つくづくそう思った。

そして、


嫌いな食べもの:胡桃


梶の字で書かれているその場所を指でなぞる。


「バカだなぁ……

こんなノート作るなんて。

私あの時からもうとっくに惚れてたんだね」


< 150 / 343 >

この作品をシェア

pagetop