真面目くんがネクタイを緩めるとき
私の過去なんかより断然辛いはずなのに
それなのにこうやって、
私の事好きになってくれて
笑いかけてくれて
私、なんて言ったらいい……?
なんて言ったら伝えられるの?
「で、なんで貴方が泣いているんですか?」
ため息をつきながら言う梶に
「だって……梶、辛いのに……っ」
と言うと梶は私の頭をポンポンと撫でて
「もう、辛くないですよ
昔の事ですから。
今は、胡桃さんがいるでしょう?」
私はコクコクと頷いた。