真面目くんがネクタイを緩めるとき


放課後になると私は一目散に図書室に走って

扉を勢いよく開ける。


「いちばーん!

って当然か!」

だって終わってすぐにこっちに来たから。

「そうでもないみたいですよ?」


うわぁっ!
図書室のカウンターの中から出てきた梶。

「いつ来たの!?」

確かに私は一番に出てきたはずなんだけど。

「最後の授業終わってすぐですよ?」


「ホームルーム聞いてからじゃないと駄目じゃん!」


梶くん、それはフライングです。


「すいません。

あなたにすぐ、会いたくて」



梶くん……。それは反則です。


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