真面目くんがネクタイを緩めるとき
「駄目じゃないけど……でも……」
私が途中までそう言うと
メガネを外し、ネクタイを緩め
前髪をあげた。
「この僕の方がいいですか?」
どっき……ん。
心臓が音をたててなり始める。
確かに、こっちの梶はよく顔が見えて
キレイな目をしてて
よく話すし、よく笑うから
いつも以上にドキドキするけれど、
「どっちの梶も好き。
だから、
教室での梶と話せないのは寂しい」
そう思った。
「全く……あなたって人は
ワザとやってるんですか?その煽り」