真面目くんがネクタイを緩めるとき


「駄目じゃないけど……でも……」


私が途中までそう言うと

メガネを外し、ネクタイを緩め


前髪をあげた。


「この僕の方がいいですか?」

どっき……ん。

心臓が音をたててなり始める。


確かに、こっちの梶はよく顔が見えて

キレイな目をしてて


よく話すし、よく笑うから

いつも以上にドキドキするけれど、

「どっちの梶も好き。


だから、

教室での梶と話せないのは寂しい」

そう思った。

「全く……あなたって人は

ワザとやってるんですか?その煽り」

< 196 / 343 >

この作品をシェア

pagetop