真面目くんがネクタイを緩めるとき
やめたやめた。
自分を守るための嘘なんて。
「さっき……
アイス買いに行った時、
元カノに会いました。」
胡桃さんは俺をぎゅっと抱きしめる。
「どきどき……した?」
俺の胸に顔を埋めて聞く胡桃さん。
表情見えなくてよく分からないけれど、
普段素直に俺にくっ付いたりしないから
不安なんだろう。
「正直に言うとドキドキした。」
「……。」
胡桃さんからの返事はない。
「でも……違いますよ。」