真面目くんがネクタイを緩めるとき


「ん"。」

胡桃さんの、返事に濁音が交じる。

やべえ。
泣かせたか?

そう思いながら言葉を続ける。

「今僕が胡桃さんに感じてる

このドキドキとは違う。」


胡桃さんはパッと顔をあげた。


やっぱ泣いてんじゃねーか。


「葵のは昔のことを思い出す恐怖とイキナリ現れた驚き。

だけど、胡桃さんのは……

僕の心臓の音聞いてみれば分かりますよ。」


僕の胸に耳を当てる胡桃さん


ほら、可愛いって思うとすぐこれだ。

どきっ、どきっ、どきっ。

「ふふっ……早い……」


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