真面目くんがネクタイを緩めるとき
「それは……。」
その言葉で息詰まる梶に
「この前会ったって言った時、
より戻したいって思ったの?」
核心に迫ることを聞く。
「違います。」
そう否定すると梶は私を軽く抱きしめた。
「いやだ……。触んないで!」
「え、」
私が梶を突き飛ばすと梶は少し傷ついた顔をした。
やりすぎだって、
分かっているのに、私の口は止まらない。
「梶はさぁ!
元カノの事、呼び捨てで呼んでるけど
私はいつまでも胡桃さんだし
そういうのも嫌だ。もう全部嫌なの。」
私はそのまま立ち上がって下駄箱に向かった。