真面目くんがネクタイを緩めるとき


低く響く声。

振り返ると、そこにいたのは梶だった。

佐倉を睨みつけ、私の手を強引に引っ張る

「待って!梶」

このまま行ったら佐倉に失礼だ。
そう思ってストップをかけるのに


「待たねーよ。」

梶は止まってはくれなかった。


「痛いよ、梶っ!どこ行くの!?」

私の質問に答える事なく手を引いて

人通りが少ないビルとビルの間に入る。

やっと、止まった。

そう思ったら、その壁に私を押し付けた。

そして、

「んんっー!」

梶の唇と私の唇が重なる。
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