真面目くんがネクタイを緩めるとき
そんな不安ならいいのなんて聞かなきゃいいのに
「いいんですよ。」
「だってさ、けっこう好きだったんだよね……?
もう人と関わりたくないって思うほど」
俺は笑った。
違うんだよ。本当は。
俺もそれに気づいたのはたった今、だけど。
「多分、人は綺麗な思い出より
忘れたいくらい嫌な思い出の方が
鮮明に覚えてるんですよ。」
それは、胡桃さんにも心当たりがあるようで
確かに……そうかも。
と呟いた。